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gakuji's fellow

Author:gakuji's fellow
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  • 哺乳も学習?   by 金

春休みが終わり、時間ができてきましたので、アップ再開です。

さて、生まれてすぐの赤ちゃんはすぐに哺乳ができると思われていますが、実際はそうでもありません。初産では最初は母乳が出にくいこともありますが、二人目、三人目になると最初から母乳はそこそこ出ることもあります。でも、赤ちゃんは最初からすぐには上手に飲めません。

 なぜでしょうか?

私なりの考えですが、哺乳にも学習が必要なのです。お母さんの乳首は大きさ、長さ、母乳の出やすさなど、お母さんごとにみんな違います。お母さんの乳首に適応しないと生きていけません。その適応期間が約1週間で、その間赤ちゃんの体重はわずかに減少します。赤ちゃんに優しい病院では10%程度の減少は許容します。

逆に言えば、赤ちゃんが哺乳に関して学習するから、哺乳瓶哺乳ができます。乳首を変えても新しい乳首に適応してくれるのです。私は唇顎口蓋裂の赤ちゃんの哺乳指導を行っていますが、口蓋床(ホッツ床)を入れると、哺乳も流し込みタイプの乳首から咬合型乳首に変えるように指導します。大変な作業ですが、健常な赤ちゃんは頑張って飲めるようになってくれます。

口を動かさなくても飲める乳首から、頑張って筋肉を動かさないと飲めない乳首へと変更ができるわけです。逆はもっと簡単ですので、乳房哺乳から哺乳瓶哺乳へは簡単に変更できますが、逆は難しいですし、やるには相当に努力が必要になります。
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  • おっぱいの味(breastfeedingと味覚の発達)   by四元

おっぱい(母乳)の味ってコロコロ変わるってご存知ですか?


おしゃべりができる位の年齢までおっぱいを飲んでる子が教えてくれます。

「今日のおっぱいはいちごの味がする~。」とか、

「今日のおっぱいちょっとしょっぱい!」とか。



おしゃべりできない赤ちゃんもおっぱいの味に意思表示をします。

がぶがぶ飲むかと思えば、ぎゃ~~と泣いたり、拗ねたり、

ちょっと口をつけたかと思うとすぐに口を離してニタ~と笑ったり...

右のおっぱいしか飲まないとかストライキする事もあります。


お母さんの食べた物や、一日の時間帯、体調によってコロコロ味が変わるそうです。
乳腺炎前後のおっぱいは、チーズ臭かったり、しょっぱかったりして赤ちゃんは嫌います。
おっぱいマッサージの専門家の助産師さんは、おっぱいの味見をしておっぱいのコンディションを見抜きます。




なので母乳を飲んで育った赤ちゃんは哺乳期にいろんな味を体験してるんですね!


ほんとにおっぱいの味にうるさいんです。
だからきっとグルメ!(笑)

  • 舌位とBreastfeeding   by金

口元をリラックスしているとき(安静時)の舌尖(舌の先端)の位置は、上顎の前歯の少し後ろに付いています。しかし、矯正の患者さんでは安静時の舌位が正常な人は少ないです。ほとんどの人は前歯の裏に付いています。

下顎の前歯の歯ぐきあたりまで舌尖が落ちている人は、ほぼ間違いなく、滑舌が悪いです。


なぜでしょう??


理由は色々考えられますが、まずは口の機能の始まりの哺乳から考えてみましょう!

四元先生の乳首を噛んで飲み込むという動きは噛む筋肉の話ですが、実は舌でも乳を搾っています。


Breastfeedingの赤ちゃんでは乳首がのどの奥の方へ、引きずり込まれるようになります(私の子どもは3人みんなBreastfeedingで、時々、小指を口に入れて遊んだことがあります。その時、指がぐぐぐっと、引き込まれるようになったことを覚えています)。

舌は乳首を口蓋に押しつけて、蠕動運動をしながらお乳を搾ります。つまり、舌を口蓋に押しつけて、搾って、飲み込むという動きになります。それに顎も連動しているわけです。舌と顎の協調運動です。

舌が口蓋に付いているということは、舌を常に持ち上げていないといけないわけです。重力に反していますよね。でも、それをBreastfeedingで身につけるのです。

人口乳首ではこれはできません。多くの人口乳首では吸引を主体に哺乳するからです。吸引すると舌は下顎の前歯の後ろに付き、舌位を下げます。(ストローを吸うようにやってみるとすぐにわかります)

舌位が下がる原因はこれだけではないと思いますが、口の機能のスタートのBreastfeedingでトレーニングをしていないと、後で上に持ち上げるのは大変な労力がいるようになります。



自然の摂理はすばらしいと思いませんか・・・・
  • Breastfeedingが咀しゃく機能の発達に良い理由   by四元

おっぱい赤ちゃんが食べ方じょうずになる理由。


科学的データによる根拠は他の先生におまかせすることにして、
私は赤ちゃん&ママサイドからお話してみたいと思います。

「赤ちゃんの口の発達」の記事で、哺乳期はかんでのみこむという基礎的な行動パターンに慣れる時期であると書きました。



赤ちゃんはママのおっぱいにかぶりつくと、いきなりは飲み始めません。
「ちうちう」と乳首を吸ってしばし待ちに入ります。←なかなか賢い...


するとママの身体に射乳反射が起こります。

乳腺に血液を送り込まなくてはならないので、心臓がバクバク動き出して血圧が上がります。

乳腺に血液を溜めなくてはならないので、おっぱい周囲の静脈がきゅ~~~っと縮みます。


するとママは胸に
「つつつ~っ!」とか
「バリバリバリ~ッ!」とかという感覚が来て
「きたきたきた~~~っ!」とわかります。


そうすると、待ってましたとばかりに赤ちゃんもおっぱいをがぶっと噛んで飲み始めます。

最初はほとばしる様に出ますので、哺乳力のない新生児は飲み切れなくてむせてしまったりします。
赤ちゃんが咳き込んで乳首から口を離すと、おっぱいがぴゅ~~っと飛び出すするくらい!

あかちゃんにとってはスパルタ(笑)そのもの。
ひ~ひ~言いながら、
汗をびっしょりかきながら飲むんですよ~



数十秒で射乳反射が落ち着いてくると、リズミカルに飲む状態になります。
がぶっと噛んだ分だけびゅ~と出てきてそれをごっくん。

乳腺で血液がお乳に交換されて、それが乳管を伝って乳首の真下にある乳管洞に集まってきます。
ここを歯ぐきの土手でがぶっと挟むからお乳がびゅ~と出てくるんですね。

(余談ですが、おっぱいマッサージの達人の助産師さんは、この乳管洞を赤ちゃんの顎のようにじょうずに指で圧迫しておっぱいを出し、つまった乳管口を開けていきます。
ベッドに横たわったママさんのおっぱいが天井まで上がる程です!)


しばらく経つとママの血圧も下がってきて、ややお乳の出が悪くなります。
すると赤ちゃんはコンチクショウとやけになって噛みついたり、うなったり。
おっぱいっ子の辛抱強さとか粘り強さとかはこうやって培われていくのかもしれませんネ。


こうしたスパルタなトレーニング(笑)を経て、月齢が進むにつれて哺乳力がついていきます。
離乳が始まる頃には、顎を使う筋肉、お乳を飲み干す筋肉が十分に鍛えられているというわけです。


「Breastfeedingはスパルタだ!」
  • 日本の母乳育児率が低い理由 その3   by四元

平成17年度の乳幼児栄養調査で、

「出産直後から母子同室だった」との回答は17.3%でした。



多くの産科施設では、産後すぐは赤ちゃんたちはベビールームに集められています。

「○○さぁ~ん、授乳の時間になりました。授乳室へどうぞ~

授乳室へ行くと、赤ちゃんが看護師さんに連れられてきています。

「まず、おむつを替えてみましょう。できたら体重を量って記録してくださいね。」

「はい、では右のおっぱいを出して清浄綿で乳首を消毒しましょうね。」

「消毒が済んだら赤ちゃんにくわえさせてみましょう。」

「はい。5分経ちました。反対側を飲ませましょう。あっ、消毒も忘れずに。」


出産後30分以内にお母さんの乳首をくわえさせてもらえた赤ちゃんは、難なくおっぱいに吸い付けます。
(=inprinting)

ところがゴムの乳首が最初だった赤ちゃんはなかなかおっぱいに吸い付くことができません。

同じ授乳室でおっぱいを飲んでいる他の赤ちゃんを見ると、うちの子はどうして飲めないんだろうとママは絶望的な気持ちになっていきます。


「はい。5分を2回ずつ終わりましたね。では体重を量ってください。」

「○○さんとこは13g増えましたね。ではブドウ糖液(またはミルク)を17㏄ホニュウビンで飲ませましょう。」

「○○さんとこは0gでしたか。ではブドウ糖液(またはミルク)を30㏄飲ませてくださいね。」



おっぱいに吸い付けない赤ちゃんは、おっぱいとゴム乳首を交互に与えらえて混乱してしまいます。
それでも健気な赤ちゃんは、頑張ってちゃんとおっぱいに吸い付けるようになっていきます。


3時間おきに20㏄×生後日数+20㏄と教育された新米ママさんは、退院するとすごく不安になります。

「今、30分飲んでるけど、ちゃんと160㏄飲んだのかしら...」

その点、何㏄飲んだかわかる哺乳瓶はとても安心。


まだまだ悩みはつきません。


「乳首の消毒ってずっとしなくてはならないのかしら?」

「さっき寝てから1時間しかたってないのに、もう泣いちゃった。まだ飲ませない方がいいかしら?」

「夕べ寝てから6時間以上たってるのに起きない。起こして飲ませるべきかしら?」




ここにミルクの達人のおばーちゃんも登場してきます。

「私があなたを育てた時は、こんなに頻繁に起きなかった。
あなたのおっぱいが足りてないから泣くのよ。
どれ、赤ちゃんをよこしなさい。ほれほれたくさん飲むのよ~☆」

「ほらみなさい!ミルクを飲ませたらこんなに長く寝てくれるじゃない!
やっぱりおっぱいだけじゃ足りないのよ。」



加えて子育てのバイブル・育児書も登場。

おっぱいで子育てをした事がない小児科医が書いた育児書にはこう書かれています。


「新生児期は昼夜関係なく3時間おきに起きて哺乳しますが、生後2か月頃になると朝まで続けて眠れるようになっていきます。」


「うちの子はもう2か月半になるのに、やっぱり夜泣きをする。やっぱりおっぱいが足りてないのかも。

寝る前にミルクを足された赤ちゃんは、朝まで続けて眠るようになります。

夜間授乳をやめてしまったママのおっぱいは朝にはカチンカチンに...

  → 乳腺炎 or 乳腺の萎縮、etc..... → やがてほんとに出ないおっぱいに



一方でこんな産科施設もあります。


出産直後に赤ちゃんをおっぱいに吸い付かせて、すぐに同室。

看護師さんも朝の検温と排泄の回数だけを問診。

ほったらかしにされたママはひたすら赤ちゃんと共に寝て、赤ちゃんと共に起き、おっぱいをあげてまた寝る。

病院の食事は豪勢なフランス料理でも中華料理でもなく、質素なご飯と一汁二菜。
(お見舞いのケーキやお菓子は家族に持ち帰ってもらう)


こんな産科施設で赤ちゃんを産んだ女性の言葉です。

「都会で生んだ上の子の時とあまりにもサービスが悪いので、最初はホントに腹が立ったんです。
だけど、下の子は最初からおっぱいしか飲まなくて、退院の時には私のおっぱいが張ってくると子どもが泣いて起きるみたいなリズムができてしまって。
ホントに楽に完全母乳育児が始められたんです。
上の子の時にはあんなに苦労したのに。」


一人目は混合栄養だったけれど、二人目は完全母乳で子育てできたというママさんはたくさんいます。

つまり母乳育児のノウハウは経験者が一番持っているというわけですね。

これを家庭で継承する事ができなくなったのが、今の日本の現状というわけです。



続く.....
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