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gakuji's fellow

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  • 舌位とBreastfeeding   by金

口元をリラックスしているとき(安静時)の舌尖(舌の先端)の位置は、上顎の前歯の少し後ろに付いています。しかし、矯正の患者さんでは安静時の舌位が正常な人は少ないです。ほとんどの人は前歯の裏に付いています。

下顎の前歯の歯ぐきあたりまで舌尖が落ちている人は、ほぼ間違いなく、滑舌が悪いです。


なぜでしょう??


理由は色々考えられますが、まずは口の機能の始まりの哺乳から考えてみましょう!

四元先生の乳首を噛んで飲み込むという動きは噛む筋肉の話ですが、実は舌でも乳を搾っています。


Breastfeedingの赤ちゃんでは乳首がのどの奥の方へ、引きずり込まれるようになります(私の子どもは3人みんなBreastfeedingで、時々、小指を口に入れて遊んだことがあります。その時、指がぐぐぐっと、引き込まれるようになったことを覚えています)。

舌は乳首を口蓋に押しつけて、蠕動運動をしながらお乳を搾ります。つまり、舌を口蓋に押しつけて、搾って、飲み込むという動きになります。それに顎も連動しているわけです。舌と顎の協調運動です。

舌が口蓋に付いているということは、舌を常に持ち上げていないといけないわけです。重力に反していますよね。でも、それをBreastfeedingで身につけるのです。

人口乳首ではこれはできません。多くの人口乳首では吸引を主体に哺乳するからです。吸引すると舌は下顎の前歯の後ろに付き、舌位を下げます。(ストローを吸うようにやってみるとすぐにわかります)

舌位が下がる原因はこれだけではないと思いますが、口の機能のスタートのBreastfeedingでトレーニングをしていないと、後で上に持ち上げるのは大変な労力がいるようになります。



自然の摂理はすばらしいと思いませんか・・・・
  • Breastfeedingが咀しゃく機能の発達に良い理由   by四元

おっぱい赤ちゃんが食べ方じょうずになる理由。


科学的データによる根拠は他の先生におまかせすることにして、
私は赤ちゃん&ママサイドからお話してみたいと思います。

「赤ちゃんの口の発達」の記事で、哺乳期はかんでのみこむという基礎的な行動パターンに慣れる時期であると書きました。



赤ちゃんはママのおっぱいにかぶりつくと、いきなりは飲み始めません。
「ちうちう」と乳首を吸ってしばし待ちに入ります。←なかなか賢い...


するとママの身体に射乳反射が起こります。

乳腺に血液を送り込まなくてはならないので、心臓がバクバク動き出して血圧が上がります。

乳腺に血液を溜めなくてはならないので、おっぱい周囲の静脈がきゅ~~~っと縮みます。


するとママは胸に
「つつつ~っ!」とか
「バリバリバリ~ッ!」とかという感覚が来て
「きたきたきた~~~っ!」とわかります。


そうすると、待ってましたとばかりに赤ちゃんもおっぱいをがぶっと噛んで飲み始めます。

最初はほとばしる様に出ますので、哺乳力のない新生児は飲み切れなくてむせてしまったりします。
赤ちゃんが咳き込んで乳首から口を離すと、おっぱいがぴゅ~~っと飛び出すするくらい!

あかちゃんにとってはスパルタ(笑)そのもの。
ひ~ひ~言いながら、
汗をびっしょりかきながら飲むんですよ~



数十秒で射乳反射が落ち着いてくると、リズミカルに飲む状態になります。
がぶっと噛んだ分だけびゅ~と出てきてそれをごっくん。

乳腺で血液がお乳に交換されて、それが乳管を伝って乳首の真下にある乳管洞に集まってきます。
ここを歯ぐきの土手でがぶっと挟むからお乳がびゅ~と出てくるんですね。

(余談ですが、おっぱいマッサージの達人の助産師さんは、この乳管洞を赤ちゃんの顎のようにじょうずに指で圧迫しておっぱいを出し、つまった乳管口を開けていきます。
ベッドに横たわったママさんのおっぱいが天井まで上がる程です!)


しばらく経つとママの血圧も下がってきて、ややお乳の出が悪くなります。
すると赤ちゃんはコンチクショウとやけになって噛みついたり、うなったり。
おっぱいっ子の辛抱強さとか粘り強さとかはこうやって培われていくのかもしれませんネ。


こうしたスパルタなトレーニング(笑)を経て、月齢が進むにつれて哺乳力がついていきます。
離乳が始まる頃には、顎を使う筋肉、お乳を飲み干す筋肉が十分に鍛えられているというわけです。


「Breastfeedingはスパルタだ!」
  • 食事中の水~金先生に続け   by四元

かつて(高度経済成長期前)の日本の食文化には、食事中に水を飲む習慣は無かったそうです。


(いや、私は生まれてないので聞いた話ですが...笑)


躾の厳しい家庭ほど、食事中に水を飲むのは行儀が悪いとされていたのだそうです。



そして多くの一般家庭では、食事が終わって空になったご飯茶碗に急須でお茶を注いでいました。
(「子どもの頃見た事、あるある!」という40代は多いはず。)

そこで初めて「ごちそう様」と温かいお茶を飲んでいたのですね。



ところが今や「お茶」と言えば冷蔵庫の中にペットボトルで保管されていて、
食事中にがぶがぶ飲むのが常と化しています。


ドロドロの離乳食を食べる赤ちゃんにさえ、「赤ちゃん麦茶」だのなんだの飲ませながら食べさせています。




このお話を聞いたある若い栄養士さんがこんな話をしてくれました。


...私は小さいころかなりのおばあちゃん子で、食事の躾もおばあちゃんにしてもらいました。

食事中に私が水を欲しがると、


「だれ馬(鹿児島弁でダメな馬)水食らうと言うんだよ。だれ馬になりたくなかったら(食事の)後で飲まんか。」

と言われたものでした。今思い出しました...と。



もしかしたら各地にもそういう言い伝えがあるのかもしれませんね
  • 哺乳様式と口の機能発達 その1   by伊藤

新生児における哺育様式の違いが、その後の口の機能発達に及ぼす影響を調べた貴重な研究論文があります(中西正尚ほか:小児歯誌、2005)。

以下に概要を記します。


対象は2歳児~5歳児の1,357名(平均年齢3歳7か月)である。
生後3か月頃までの授乳方法と調査時点での口の機能について、保護者にアンケート調査を行ったものである。
生後3か月頃までの授乳方法によって、対象は母乳哺育群(Br群、399名、29.4%)、混合哺育群(Mix群、811名、59.8%)、人工乳哺育群(Bo群、147名、10.8%)の3群に分類された。
なお、これらの3群には、離乳食の開始時期、終了時期、断乳時期に有意差のないことが確認されている。


2歳~5歳時点での食べ方をみると、母乳哺育のBr群では他の2群に比べて前歯で噛みきって食べることができ、咀嚼が上手で、途中で出したりこぼすことも少なかった。

咀嚼機能の発達は良好で、食生活のリズムや食事の自立性にも他の2群と有意な違いがあった。
吸指癖やおしゃぶりの癖もBo群に比べて少なく、言語や性格面の発達も良好であった。

以上のことから、生後3か月頃までの授乳方法は、2歳から5歳までの咀嚼機能の発達に影響を及ぼすとともに、口腔習癖や言語・性格の発達にも影響が及んでいることが伺われたのである。



人工乳は母乳と比べて、安全性や栄養価の面では遜色がないはずです。
しかし、その後の咀嚼機能の発達に、明らかな違いが起きていそうですね。

しかもその違いが、口腔習癖の発現や、言語・性格の発達にも影響を及ぼしている危険性が指摘されたのです。
便利で安全な人工乳ではありますが、思わぬ盲点が潜んでいるかもしれません。

本論文は、そのことを指摘しています。
  • 食事中の水物   by金

当院では検査時に食事に関するアンケートを行っています。

その中に、「食事中にいつ飲み物をとりますか」というのがあります。食事の前、食事中、食事の後と選択肢があり、患者さんのほとんど(約9割)が食事中に取っています。その内容はお茶が一番多いですが、中には牛乳やジュース(野菜ジュースが多い)もあります。量もコップ1〜2杯がほとんどですが、中には1リットル近く飲んでいる人もいます。

私は、「食事中の飲み物は原則やめましょうと」話しています。理由は色々ありますが、一番は咀嚼量を増やして、唾液量を増やすことです。大量に飲んでいる人が時々言う言葉に、お茶を飲まないと飲み込めないというのがあります。飲み込めないから、益々お茶を飲んで、唾液の量を減らすという、悪循環に陥っています。

これは若い矯正の患者さんだけでなく、お年寄りにも見られることだと思います。お年寄りは水分をちゃんと取りましょうということで、せっせと食事中に取るわけです。その結果、唾液の分泌量が減り口腔乾燥症になりやすくなります。

本来、陸上の咀嚼をする哺乳動物は食事中の水分は必要ありません。食物を咀嚼し、唾液と混和して、食塊(飲み込めるかたち)を形成して、嚥下するわけです。野生のシマウマが水を飲みながら草を食べることはないのです。唾液には非常に多くの効能がありますが、その唾液のすばらしさを発揮させるためにも、まず「食事中の水物はやめる」ことから始めてみてはどうでしょう。1週間で苦にならなくなりますよ。
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